チベット旅行記

チベット旅行記

河口 慧海

これは単行本のチベット旅行記ですが、5分冊になっている文庫版もあります。内容が同じか異なるかはチェックしていません。

河口慧海は日本人の坊さんです。チベットがまだ鎖国状態だった頃、彼はチベットで仏教を勉強したい、という志を持ちます。当然表から入る手立てはありません。彼が何をしたかと言うと、まずネパールに行き、そこのチベット僧院に入ってチベット語などを勉強します。そしてチベット語を身につけ、チベット人に成りすまして雪のヒマラヤ山脈を越え、ついにチベットに入り込み、そこの僧院で勉強することに成功してしまいます。

これはすごい体験記です。人はやる気になればここまでできるものなのでしょうか。

この本を読んで以来、チベット、そしてポタラ宮は私のあこがれの地となりました。

チャールズ・ダーウィン ビーグル号航海記

チャールズ・ダーウィン ビーグル号航海記

チャールズ・ダーウィン

ビーグル号航海記」は「種の起源」で進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンが、その着想を得た世界一周の航海を記録したものです。岩波文庫で上中下の三巻に分かれています。

世界のあちこちを廻る船の上で、いろいろな生物と出会い、記録していく様が描かれています。「種の起源」は楽しく読める書物とは言えませんが、「ビーグル号航海記」はかなり読みやすい本です。

日本の近くに来たときの興味深い記録も残っています。

さまよえる湖

さまよえる湖

スウェン・ヘディン

さまよえる湖の著者、スウェン・ヘディンは有名なスウェーデン人の探検家で、特に中央アジア、革命以前の中国奥地の砂漠地帯、旧シルクロードのあたりを探査して多くの考古学的な発見を成し遂げた有名人です。

筆者が子どものころに読んだのは「中央アジア探検記」というタイトルがついていました。成人してからこれをもう一度読みたいと思い、探してみましたが見つかりません。筆者が思うに、どうやら、子ども向けに彼の探検記の一部を抜粋して子ども向けの訳を付けたものだったようです。

タイトルのさまよえる湖は、ロプノールという名の湖で、タリム盆地にあり、川の流れによってその位置を変える、という不思議な湖です。その周辺の探検記がこの本です。今では神秘さはほとんど暴かれてしまった状況かも知れませんが、ヘディンの本を読んで以来、筆者は死ぬまでに一度はロプノールを訪ねたいと思っています。

アク・アク―孤島イースター島の秘密

アク・アク―孤島イースター島の秘密

トール ヘイエルダール, Thor Heyerdahl, 山田 晃

アク・アク―孤島イースター島の秘密は現在一冊の東洋文庫になっていますが、筆者がかつて買った時は上下2巻に分かれていたと記憶しています。

ヘイエルダールは コンチキ号漂流記 で一躍有名になった考古学者・冒険家です。彼があのモアイ像で有名なイースター島のなぞに挑む話が本書の内容です。なんだか舞台設定、登場人物を考えるだけでわくわくしてきます。

そして彼は決して読者を裏切りません。イースター島で行われる新たなる発見。オーソドックスな考古学からは異端扱いのヘイエルダールかもしれませんし、彼の書く文章は面白すぎてフィクションではないかと疑ってしまうほどですが、単なるノンフィクションとしてだけではなく、エンターテインメントとして読んでも一級品だと思います。

コンチキ号漂流記

コンチキ号漂流記

トール・ハイエルダール, 神宮 輝夫

ハイエルダールのコンチキ号漂流記は特に説明が不要なほど有名なものだと思います。

スウェーデンの考古学者ヘイエルダールは南太平洋に住む人々の起源は南アメリカにある、と考え、南アメリカでバルサのいかだ、コンチキ号を組み上げ、太平洋への漂流の旅に出ます。

静かに進むコンチキ号の周辺に現れる海の生物たち。筏の下を通り抜けるジンベイザメのシーンでは、まるで自分がそこにいるかのようにどきどきしました。

海のラクダ―木造帆船ダウ同乗記

海のラクダ―木造帆船ダウ同乗記

門田 修

海のラクダ―木造帆船ダウ同乗記」は現在中公文庫から出ているようですが、筆者が買った当時は中公新書の方から出ていたと記憶しています。

「海のラクダ」というのは、インド洋を行き来するアラブの帆船、ダウのことです。あまり知られてこなかったことですが、ポルトガルのパスコダガマが喜望峰を廻ってインド洋に入ってきたとき、そこは西欧世界よりもはるかに早くから大型船が行き交っている世界でした。現在のタンザニアに属するザンジバル島などには当時既に大きな港があり、アラブ世界とアフリカとの交易が盛んに行われていました。遠く中国からの船が入港していた記録もあるようです。

そうした交易に使われていたのがダウと呼ばれる帆船です。アラブはラクダに乗って砂漠を旅しているばかりではなく、海の民でもあった、というのがこの本のネーミングの意図でしょう。

この本の著者は東アフリカから季節風を待って北上するダウ船に乗り込むという稀有のチャンスをものにします。これはその時の記録です。ダウ船の世界は、どうも近代的な海の法律とは別のルールが支配している世界のようで、筆者がいたころのケニアのモンバサでは、大型ダウ船が入港しているエリアには、外国人観光客の立ち入りが認められていませんでした。

この本はそれ以前に読んだものでしたが、モンバサ港の外からダウ船の傾いたマストを眺め、一番に思い出したのがこの本のことでした。

「本を読む」サイトを開始

以前無料のサービスを利用して書評のブログを運営していましたが、今回こちらのブログへと引っ越すことにしました。旧ブログのコンテンツを順次移動させて行き、移動が終了し次第、旧書評ブログは閉鎖します。

また、当方で運営しております各サイトにも本の紹介コーナーを設けておりましたが、重複もあり、書評を書くのも別々になってしまうため、このサイトに統一することとしました。