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女たちの大地 「開発援助」フィールドノート

    女たちの大地―「開発援助」フィールドノート
    荒木 美奈子
    築地書館 1992/09

    本書は青年海外協力隊員としてのザンビアでの体験について書かれたものです。この本の筆者である荒木美奈子さんには、筆者がタンザニアのモシに在住していたときに初めて会い、本を送ってもらいました。バイタリティー溢れる女性で、その一方でいろんなことに悩みもがいている彼女は、彼女自身の描くザンビアの女性像と重なる部分があります。

    荒木さんはザンビアでパウロ・フレイレの理論に基づいた開発手法を用いて参加型の開発に取り組みます。その様子や、周囲の人たちとの交流が生き生きと描かれています。

    さて出版されてからある程度日も経ち、評判の良いこの本の事を批評する余地はあまりありません。彼女と同じ青年海外協力隊に参加した筆者は、ただ彼女のなした事に驚き、敬服するだけです。遅れ馳せながら色々勉強していますが、彼女のようにもっと早くその重要性に気づいていたら、筆者ももう少し良い仕事をできたかもしれません。

    国際協力をこれから目指す人にも、国際協力の分野で働く人にも良いヒントを与えてくれる良書だと思います。荒木さん本人は「あの頃の自分から脱皮しなくては」と言っていますが。脱皮してどんなミナコが生まれてくるのか楽しみです。